「養育里親」は、さまざまな事情で家庭を離れて暮らさなければならない子どもたちを、一定期間、あるいは子どもが社会的に自立できるようになるまで家庭の一員として迎え入れ、深い愛情をもって育ててくださる方のことをいいます。実親に親権があることも多く、「養育里親」と子どもとの法的な親子関係は発生しません。

　また、子どもたちはいずれ実親家庭へ戻ることが基本であり、「養育里親」のもとで暮らしながら実親との交流を続けていくこともあります。
　一方、「養子縁組里親」は法的に子どもとの親子関係を作り、子どもを育てていく方のことをいいます。

虐待やネグレクト、親の病気や金銭的な問題などさまざまな理由があります。社会的養護のもとで暮らす子どもたちは、親との別れをはじめとするさまざまな喪失体験をしてきています。彼らのほとんどが傷ついています。

　しかし、そうした気持ちを必ずしも言葉で表せるとは限らず、かわりにさまざまな行動（かんしゃくや甘え、大人を信頼できないなど）を通し て私たちに訴えかけてくることがあります。過去の辛い体験というのは、子どもたちの行動や発達に大きな影響を与えうるのです。

子どもたちが一人ひとり異なるように、「養育里親」もさまざまな光る個性を持っています。大切なことは、子どもたちに安全で安心できる環境をつくれることや、彼らのことを中心に考えながらさまざまなサポートを提供できることです。子どもたちの成長を、地域やまわりの人と一緒にサポートすることで、子どもたちも地域も、そして「養育里親」も成長していきます。

　「養育里親」による養育には強い覚悟と忍耐、子どもたちの人生にポジティブな変化をもたらしたいと思う真剣な気持ちが必要です。思うようにいかないこと、苦労や不安もあるでしょう。でも、それ以上に素晴らしい体験や喜びが、子どもたちと過ごす毎日にはあるのです。

基本的に問題ありません。保育園の利用も可能です。ただ、子どもが委託される際には、身近な周囲に支援者がいるなどの条件は、個別に考慮されることもあるでしょう。

「養育里親」には、子どもに必要な生活費や手当が支給されます。手当では子ども一人につき、90,000円が支給されます。その他にも、子どもにかかる一般生活費や教育費が支給されます。医療費も「養育里親」が負担することはありません。

児童相談所が、家庭訪問や電話相談などにより個別の相談に応じます。また、一時的に委託された子どもさんを預かる制度もあります。里親会のサロンで養育の悩みや喜びを共有したり、児童施設の里親支援専門相談員などにも相談できます。chiedsも養育について共に考え、協働する環境を整えています。